【2013.11.27】 平成25年11月27日 「子どもの連れ去り・引き離し問題に関する第三回質問主意書」
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質問第七二号
子どもの連れ去り・引き離し問題に関する第三回質問主意書
右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。
平成二十五年十一月二十七日
浜 田 和 幸
参議院議長 山 崎 正 昭 殿
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子どもの連れ去り・引き離し問題に関する第三回質問主意書
先般提出した「子どもの連れ去り・引き離し問題に関する再質問主意書」(第百八十五回国会質問第五〇号)(以下「質問主意書」という。)に対する答弁書(内閣参質一八五第五〇号)を受けて、以下再度質問する。
一 質問主意書の質問一に対し、答弁書では、「政府として把握していない」とのことだが、政府には把握しようとの意思はないのか、明らかにされたい。把握しようとの意思がないというのであれば、なぜ、政府として把握しようともしないのか、理由を示されたい。
「継続性の原則」を利用して監護者を決定することにより、引き離された親を自殺に追い込み、あるいは引き離された子を虐待死に追い込んでいる裁判官の実務の運用は、「子の利益」にかなっているとは言うことはできず、早急に把握すべきと考えるが、政府の見解如何。
二 前記一に関連し、裁判官らは、官僚制の病理である訓練された無能力の状態に陥っているのではないか。すなわち、裁判官らは、長年、刑事事件や民事事件を処理する中で、子の連れ去り・引き離しの家事事件においても、いずれか一方の親を勝たせ、一方を負けさせなければならないとの思考の枠に囚われ、監護者と指定しない親に対して監護者として相応しくない根拠を並べて貶めるという実務運用に陥っていると解するが、政府としては、裁判官の実務の実態をどのように「承知」しているのか。
三 前記一及び二に関連し、民法第七百六十六条に規定する「子の利益を最も優先して考慮」して監護者を決定するにあたっては、いずれの親を監護者とすれば「子の利益」にかなう環境を醸成できるかという観点が最も大切であると考えるが、このような見解は誤っているか。
すなわち、「寛容性の原則」に基づき、子が両方の親と定期的に会う環境を整備し、子が両方の親からの愛情を実感できる環境を確保することが「子の利益」に資するのであり、子にとっての勝ちなのであり、「継続性の原則」に基づき、一方の親を勝たせ、もう一方の親を負けさせ、親子を引き離し、引き離された親を自殺に追い込むことは、子にとっては負けであって、「子の利益を最も優先して考慮」した判断とは言えないと解するが、このような見解は誤っているか。誤っているという場合には、その理由を示されたい。
四 質問主意書の質問二について、「お尋ねの件数を把握する必要はない」との答弁は、裁判官により何ら罪のない親子が殺されているに等しい状況を政府として容認するものと解するが、そのような理解でよいか。
五 質問主意書の質問六に対し、答弁書は何ら回答していない。政府としては、子の身柄を確保した親に監護権・親権を与えている裁判官の実務の運用が、科学的根拠も法的根拠もないものであると認めたとの理解でよいか。異なるという場合には、明確に根拠を示した上で政府の見解を示されたい。
六 前記五に関連して、答弁書を見る限り、政府は裁判官の判断が実態を踏まえたものかとの検証や判断に根拠があるかとの確認などをしているようには見えないが、政府は、裁判官が主張することについては、全て正しいものとして「承知」するという考えに立っているという理解でよいか。この理解が誤りであるという場合には、その理由を示されたい。
七 前記六の理解が正しく、政府が裁判所の判断を全て検証もせずに追認しているのであるとすれば、日本国憲法に規定するところの三権分立の原則が機能していないということになる。すなわち、国会、内閣、裁判所の独立した機関が相互に抑制し合い、バランスを保つことにより、権力の濫用を防ぎ、国民の権利と自由を保障するという制度的担保が完全に喪失しているということになるが、政府の見解如何。
八 前記七に関連して、外部からの監視が実質的に及ばない独立した公権力組織は独善化し国民の権利を平然と侵害しやすいと言われている。
民法第七百六十六条の改正趣旨に関し「法務大臣が何を言おうが関係ない」、「国会の議事録など参考にしたことなどない」などと法廷で主張したと報道される若林辰繁裁判官の態度はそれを象徴するものであり、平成二十四年六月十九日の参議院法務委員会において「裁判官の独立ではなくて、裁判官の独善に陥っている」とも糾弾されている。
裁判官の独善性については、裁判官の人事評価の在り方に関する研究会報告書や当該研究会へ提出された裁判官の意見の中で「裁判官がその職務を行うに当たって独善に陥ることは最も避けなければならない」、「裁判官の独立の名に隠れて、裁判官の化石化や国民との遊離、独善が進んでいないかとの批判にも耳を傾ける必要がある」旨の言及がある。
子の連れ去り・引き離し事件についての審判書等を見れば、裁判官が独善に陥り、国民との遊離が生じているように見える。実際、何ら罪のない親子が死に追いこまれている状況を見るにつけ、こうした責任の一端は、政府が裁判官の独立の名の下、裁判官らの法と事実に基づかない実務運用を放置してきた点にもあると考えるが、その点について政府の見解如何。
九 前記八に関連して、平成二十五年四月十九日の衆議院法務委員会の参考人質疑において、裁判所職員の書いたと思われるブログについての陳述があった。そのブログには、子を奪われた親について、「自分の要望が通らないからといって、自殺を図ろうとする当事者、自分の要望が通らないイコール裁判所が相手の味方をしていると完全に妄想中、もうだめだと窓から飛び降りようとしたりして本当に迷惑だ、裁判所でやられると後始末が大変だから止めてくれ、ああ、敷地の外なら、いつでもどうぞ。」との記述があるが、政府はそのブログの内容について把握しているか。
若林辰繁裁判官や吉田健司裁判官らの審判書などを見ると、これらの裁判官も、このブログの記述者と同様の思考回路に陥っているかのように思われる。裁判所が子の身柄を確保した親の味方をしていることは、妄想ではなく事実であり、妄想しているのは裁判官らを始めとする裁判所職員であると解するが、政府の見解如何。
十 前記九に関連し、最高裁判所長官(以下「長官」という。)は平成二十三年の「新年のことば」として、「先般、検察官による証拠改ざんという深刻な事件が報じられました。(中略)私たち裁判所に職を奉ずる者にとっても、決して他人事として済ませられる問題ではありません。」と述べている。長官が述べるとおり検察官の証拠改ざん事件は他人事ではない。裁判所内では、司法の独立が司法の独善になり情況の囚人という状況が生じており、検察と同様かそれ以上に深刻な状況が起きていると言わざるを得ない。
政府は、このような長官の考えに対し異論はないか。異論がない場合には、国民の信頼を司法が維持するために政府がすべきことは、引き離し状況に陥った親子を救う方向で長官に協力し、裁判官らが子の利益を最優先に考慮し、誠実に実務の運用を行うよう改めさせることだと考えるが、いかがか。
十一 長官は平成二十三年の「新年のことば」として、「現在、当事者の手続保障の強化等を内容とする家事審判法の改正が議論されています。家族の有りようが大きく変わりつつある中で、家庭裁判所に対する社会の要請もまた大きく変化していることの現れといえます。こうした要請に応えて家庭裁判所が十分にその機能を発揮するためには、漫然と従来の取扱いを踏襲することなく、新しい発想と創意工夫をもって、実務の改善に取り組まなければなりません。」とも述べているが、政府は、このような長官の考えに対し異論はないか。
現在は、かつてと異なり三組に一組が離婚する時代となり、女性が社会進出する一方で、男性が育児に関わることが増えている。そのような社会情勢の変化を踏まえずに、裁判官らは司法の独立を盾にして独善化し、改正された法を無視して前例を踏襲し、人権侵害を行い続けるという、あってはならない状況を引き起こしていると認識しているが、そのような見解は誤りか。誤りであるという場合には、その理由を示されたい。
民法第七百六十六条改正時の国会審議において、法務大臣が「監護について必要な事項の具体例として(面会交流を)条文の中に明示をする、このことによって、協議上の離婚をするに際して、当事者間でその取り決めをすることを促しているんだ、これが我々国会の意思なんだ、こういうことを家庭裁判所にもよくわかっていただいて、そうした家裁での運用、そして、その運用を通じて、一般に、協議離婚する場合にもやはりそこは取り決めが必要なんだ、そういう社会の常識をつくっていこうと考えている」とも答弁している。
政府は、民法改正時に法務大臣が述べたように、長官と協力し、裁判官らが誠実に実務の改善を行うことを促し、全ての親が「子の利益」を第一に考えるよう社会の常識を変えていくことが重要だと考えるがいかがか。
右質問する。
平成25年12月6日
「子どもの連れ去り・引き離し問題に関する第三回質問_同政府答弁書」
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政府答弁書PDF版
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答弁書第七二号
内閣参質一八五第七二号
平成二十五年十二月六日
内閣総理大臣 安 倍 晋 三
参議院議長 山 崎 正 昭 殿
参議院議員浜田和幸君提出子どもの連れ去り・引き離し問題に関する第三回質問に対し、別紙答弁書を送付する。
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参議院議員浜田和幸君提出子どもの連れ去り・引き離し問題に関する第三回質問に対する答弁書
一について
政府としては、お尋ねの事実を把握する必要はないと考えている。
二及び三について
お尋ねについては、先の答弁書(平成二十五年十月二十九日内閣参質一八五第一八号)三及び四についてでお答えしたとおりである。
四から十一までについて
政府としては、裁判所の実務運用及び個別具体的な事件における裁判所の判断並びに御指摘の最高裁判所長官の「新年のことば」の当否についてコメントする立場にないことから、いずれも答弁を差し控えたい。
御指摘の「ブログ」については、平成二十五年四月十九日の衆議院法務委員会での参考人質疑において、御指摘の記述が取り上げられたことは承知している。
いずれにしても、政府としては、民法(明治二十九年法律第八十九号)第七百六十六条の改正趣旨を説明したリーフレットを作成し、裁判所を含めた関係機関に配布すること等により、同条の改正趣旨の周知徹底に努めてきたところである。また、一般に、裁判官は、個別具体的な事案において、法の趣旨にのっとり適切に事実認定をしているものと承知している。