【2010.10.20】 橋下大阪府知事の健康福祉常任委員会での答弁
下記画像をクリックするとYouTubeで動画を観ることができます。
【概略】
* この問題は弁護士の時から大問題になっていた。
* これこそ国会議員が真剣に取組むべき問題であり、役所に任せていてはだ
めである。
* 役所は“子育で離婚した元夫婦が意見対立する”などと“出来ない理由” を
何時も持ち出し、法改正に否定的。円満な夫婦でも意見が対立することは
ある訳で、単に“やらない理由”を探しているだけである。
* 原則は『共同親権』で子育てをすべきである。
* 女性団体は共同親権となった場合の弊害を訴えているようだが、そのよう
なケースがあるなら、それこそ裁判所がその様に対応すればよいだけの事
である。
* 国に対する(法改正の)働きかけだが、知事の立場上、国会に乗り込んで
行く事は出来ない。ただ、大阪府としては『共同親権意見書』も採択され
府の立場としては、『共同親権』を前提とした各働きかけをしたい。
* 千葉法務大臣のこの問題に対する国会答弁はひどいものだ。 『面接交
渉・・必要であればやるが、今は・・』これは役人が作った書面をそのま
ま読み上げたものである。(法改正を)やりたくない役人の思惑どおりだ。
* 海外では『共同親権』は当たり前である。
* 『共同親権』は政治がやらなければならない。
【全文】
それでは、共同親権について質問をしていきたいと思います。
知事は今年、子どもの運動会はどうでしたか、行かれましたか?
橋下知事。
小学校、幼稚園、両方行きました。
浦野議員。
素晴らしいですね。なかなか難しい日程をくぐって、私も自分の子どもの運動
会、下の子がやっているのは見れたんですけど、実はまぁ色々予定重なって上の
子のが見れなかって非常に残念だったんですけど、この共同親権がですね実は、
そういう和やかな運動会にも影を落としております。と言いますのも、これは委
員会の質問の中でだいたいのことを言わせていただいてますけども、日本は共同
親権制度というのを採ってない、これはもう明治の時代から少し改正しただけの
単独親権制度を採っております。その関係でですね、例えば離婚された方、親権
を持ってない方がですね、実の子どもの運動会を見たいと小学校に日程を問い合
わせると、親権者の意向を学校が聞いて、教えないで欲しいと言われたら教えま
せんということで、日程を言ってくれない、そういうまぁこれ実は実際にあった
話ですね、それに対してそのお父さんなんですけども、お父さんもそれはおかし
いと、法律でその権利は認められているはずだから教えて欲しいということを言
うたんですけども、それでもダメだと。正式に内容証明を送ってですね、大阪市
の教育委員会の話なんですけども、まぁだからここではちょっとアレなんですけ
ども、内容証明を送って正式な回答を求めました。そしたら回答も、親権者の意
向で拒否します、ということで、結局運動会の日程を教えて…、まぁ教育委員会
も教えることは認めないということで、正式な文書を返したそうです。これは
まぁ、いくらでもほんまかどうか、文書ちゃんとありますんで、見て、あとで見
せて欲しいということになれば、見ていただいたら良いんですけども。そもそも
ですね、この制度というのは、本当に今の日本が抱えている問題ですね、私は特
に児童虐待の防止の観点から、こういうことをきっちりと考えていかなあかん時
期にようやく来てるんじゃないかなと。まこれはまぁ、昔からよく、ね、その、
親権に関しては改正して欲しいということはずっと言われ続けてきましたけど、
私なんかは特にやっぱり児童虐待を防止する観点からですね、共同親権にして、
例えばそれがDVとか子どもへの虐待で離婚されたんだったら別ですけども、両親
の性格の不一致とかそういうことでやむなく離婚されて、子どもにとっては離婚
しても親は親ですので、お父さんはお父さんですしお母さんはお母さんですし、
やはりそういう、子ども達にとってそのことはどうかということと、やはり離婚
した後もですね自分の実の子どもの成長を見守る、そしてその成長に責任を持つ
というのはですね、重要なことだと私は思ってます。で、今の日本の制度だとで
すね、かたっぽにしか親権が事実上無いので、この国は特にそうなんですけど
も、権利と義務がですね非常にバランスを欠いていると言いますか、みんな権利
ばっかり主張してですね、義務を怠ること非常に多いですねこの国の人たちって
いうのは、まぁ自分も含めてですけども。やはり、共同親権というのは、責任は
勿論ありますけども義務もあって、例えばその義務の中には養育費の話だとか、
子どもの育ちに関するですね親の責任というのは絶対出てくると思います。そう
いう意味でですねやはり、この共同親権という考え方をですね、やはり府として
もですね、これはもう国に改正をしていただかないとどないもならない問題です
けども、強く求めて行っていただきたいと思うんですね。国にモノを言える、
言っていける、言う知事としてですね、やはりそのへんは国に強く働きかけてい
ただきたいと思いますし、知事の、まぁ今ちょっと業務停止されて2ヶ月、弁護
士としてのあのー法律家としての見解はアレですけども、まぁそういうとこも含
めてですね、この共同親権に関して答弁をしていただけたらと思いますんで、は
い。あ、ボタンを外していただいても大丈夫ですよ。
橋下知事。
共同親権については、これはもう、僕らが弁護士の時、というか今も、業務停止
中ですけども、弁護士であるんですけども、これはもう大問題になってまして
ね、これこそ本当は国会議員が真剣に議論して考えなきいけない問題で。府議会
でも意見書は出されたんですよね。これ役所に任せてたらなかなか法律って動か
ないんですよね。あのー思い起こせばというんですけども、障害者の害の字を
ね、ひらがなにするかどうかの時も、あれ最初ひらがなにするって言ったら、担
当者のほうがものすごいダメな理由いっぱい挙げて来ましたけども、実際に変え
てみて何か弊害があるかって言ったら別になくてですね、何人かの方、何人かよ
りも多くの方が、ひらがなになったことでね、心が落ち着いたという声が多くあ
るのにですね、それまで役所サイドのほうは漢字じゃないとダメだということを
しこたま理由挙げてくるわけです。この共同親権についてもですね、これは僕ら
もこの資料見て、バカな理由ばっかりつけてるなぁと思ってたんですけど、デメ
リットで書いてあることなんてこれも本当にいかにも役所的な理由であってね、
子どもを育てる時の意見が理由した親同士で異なる場合があるとかなんちゃらか
んちゃら、こんなの離婚してない親でもね意見が異なる場合もあるわけですし、
意見が異なったりとかなにか離婚した親同士で揉めれば第三者機関、それこそ裁
判所っていう機関もあるわけですし、原則はですね共同親権ってことで子どもは
しっかりと両親で育てると、その代わり委員が言われたように子どもの福祉の観
点からね、例えばDVで離婚したとか子どもに対する虐待で離婚したっていうこと
になれば、共同親権は原則としておきながらでもそこは親権の制限をかけていけ
ば良いわけですから、なんでその単独親権なのかっていうのがね、僕は理由わか
らないんですね。であのー勿論色んな団体からね、あの特に女性側のほうにつく
団体からは単独親権にしておかないと男側のほうから色々強い要求されるって言
うんですけど、そういう特別な事情がある場合には親権の制限をしていけば良い
わけですから、僕は共同親権が原則だという風に思っています。
まぁあと国に対する働きかけということなんですが、言っても僕がどっか厚労省
行って何してっていうわけにはなかなかいきませんので、府の考え方としては共
同親権が原則であるということも、色んな要望の中に入れ込みながらですね、
しっかりと意思表示はしていきたいと思っています。
浦野議員。
本当にですね、私が共同親権をこうやって質問に取り上げようと思ったきっか
けってのはやはり児童虐待なんですね。虐待…、ついこないだの幼い子ども二人
の亡くなった事件もそうですし、その後に起こった事件もそうですけども、実の
お父さんがですね、全くその子どもが今どうなってるかということを全くその知
らないんですね。で挙句の果てにね、もう、こんなことなると思うてたんやみた
いな感じで、インタビューに平気で答えるわけですよ。それはおかしいやろと僕
は思うんですねやっぱり。自分の子どもやねんから、色んな法律の壁、法律の壁
は実は本当は無いんですけどね、裁判所も親権を認めてるし、会わさないという
ことに対してはそれはダメですよということも判例としてありますし、会おう思
たら会えるわけですが、でやっぱりそういう努力もせんと片方だけに子育てを押
し付けてしまう風潮が、この国の今の例えば、別に僕は母子家庭を悪く言うつも
りはないですけども、母子家庭が増えてる原因にもなってますし、やはりその中
で生活苦になってですね、現に児童虐待に走ってしまうという方々も、やはり養
育費をちゃんと権利として義務として権利として貰う、もう片方の親から義務と
して貰う、ちゃんとそういうことが出来てたらですね、少なくとも経済的な困窮
というのはもっと減るだろうし、そういう観点からやはりこの共同親権は、海外
ではもうほぼ当たり前になってしまっているような話ですので今更こういうこと
をこういうところで議論すること自体も本当は残念なことなんですけども、是非
この共同親権をですね、早急に整備される、まぁそのほかのこともですね整備さ
れることを望んでおりますんで、またなにか色んなところでですね、知事もそう
いうことを気にかけていただきたいと思いますんで、以上で、はい。
橋下知事:委員長!
委員長:はい、橋下知事。
橋下知事:ごめんなさい、締めの前に、ごめんなさい。
いやこれあのー、国会答弁でですね、法務委員会の大臣の答弁で本当びっくりし
たんですけども、多分これ役所サイドのほうがあーだこーだ言ってこれ出来ない
ような話をいっぱい言ってるんでしょうね、必要性が大臣答弁でですね、なんで
すかこれは、必要であればやる、面接交渉、まだそこまでの段階に至っていな
い、なにかあのー、きちんと必要であれば考えていく、法制審議会なりで議論し
ていくってことですけど、こういうの政治家が判断すれば良いことなんですけど
もねー、共同親権なんてのはもう委員ご指摘の通り海外でも当然のことになって
ますしね、あのこれは必要なんだってことは政治家が判断して、でその枠組みを
行政に、行政マンに考えさせれば良いのに、完全にこの答弁を見るとダメな理由
を散々言われて大臣が判断できないような状態になってるなぁっていう風に思っ
てます。すいません、遮りまして。
浦野議員。
委員会でも言いましたけど、アメリカでね、議会で日本に、これハーグ条例とい
う、あぁハーグ条約というね、条約がまたあって、その批准が日本が出来てなく
て、それをなんとかせぇという風にアメリカなんかは下院で四百何対1で可決さ
れたりとか、本当に日本はどないなっとんねんていうて怒られているわけですよ
ね。本当に一刻も早くですね、これ、実現していただきたいと思いますんで、は
い、以上で質問終わります。