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「家裁の考える子どもの福祉とは?」 怒れる父親(仮名)

 私も離婚によって子どもと会えなくなっている父親の一人ですが、家裁の対応には大きな怒りを感じています。私の体験を書きます。

 平成17年夏、自分の実家のすぐ近くに住みたいという元妻A子に対し、私が反対したことから喧嘩になりました。A子は当時2歳半の長女と生後4ヶ月の長男を連れて実家に帰ってしまい、逆上してまともな話し合いも出来ないまま、離婚調停を申し立てたのです。調停委員はいとも簡単に離婚を勧め、結局私もあきれ果てて仕方なく離婚には応じましたが、子どもは絶対に手放したくないという思いから裁判で親権を争いました。

 裁判になるとA子は嘘を並べ立ててDVをでっち上げ、「結婚生活は当初から破綻しており、子どもは父親を怖がっているから会わせたくない」と主張したのです。私は楽しかった頃の家族の写真や、子どもと遊んでいるビデオを証拠提出し、A子の嘘を説明しました。

 しかし平成20年3月の判決で、親権はA子のものとなり、そして私はA子に対し、約2年半の別居期間中の婚姻費用として月額36万円、養育費として子どもが成人するまで子ども一人当たり月額14万円を支払えという命令を受けたのです(私の当時の年収は税込みで約3000万円でした)。

 判決は機械的で、「子どもは現在母親と問題なく暮らしているので親権は母親のもの、父親は収入に応じた金額を母親に支払え」。意味のある内容はただそれだけです。A子の主張は矛盾だらけで、私は陳述書等でそれを説明しましたが、それに対するコメントは一切ありません。

 しかし何故かDVは事実と認定されています。子どもとの面会交流は認められましたが、「双方の合意の上」という言葉があり、「子どもを父親に会わせたくない」という当初からのA子の主張を考えると、これは「子どもには会うな」という命令と同じです。

 約2年半にわたる調停と裁判の期間中、子どもとの面会交流は4回実現し、私は長女と楽しいときを過ごしました。しかし、最終判決が出て約2ヵ月後の平成20年5月の面会交流で、長女の態度が大きく変わり、私の顔を見ようともせず、私が近づくと狂ったように泣き叫んで逃げ回ったのです。当時長女は5歳と2ヶ月でした。一生懸命になだめ、説得したのですが結局どうすることも出来ず、本当に胸が張り裂ける思いでした。

 A子が私に対する恐怖心を植え付けたことは明らかです。これは児童虐待であり、アメリカでは犯罪として逮捕されることもあるようですが、日本の家裁にはこれが「悪いこと」であるという認識すらないようです。

 私は裁判所の命令どおり財産分与と婚姻費用をすべて支払い、その後も月額28万円の養育費を払っていました。しかしA子は面会交流どころか話し合いにも応じようとしないため、平成21年11月、手紙を書いて支払いを停止しました。A子は私の収入を差し押さえることも出来るはずですが、その後今に至るまで、A子からまったく音沙汰ありません。

 ところが養育費の支払いを停止すると、こちらも子どもとの面会交流を要求しにくくなり、結局子どもたちとはその後会えないままです。裁判所が私に非常識と思えるほど高額の支払いを命じたのはこういう意図があったのか、と思っています。「高額な養育費を命じておけばそのうちに支払わなくなるだろう、そうなればうるさく面会交流を要求することもなくなるだろう、いつでも母親は父親の収入を差し押さえられるのだから」ということです。私は子どもに会えないまま、月額28万円の養育費を約一年半支払ったわけですが、そのまま子どもが成人するまで支払い続けるのが当然だと家裁は考えているのでしょうか。

 「子どもが幼い場合、離婚原因に関わらず親権は母親のもの。父親と子どもの面会交流が実施出来るかどうかは親権者である母親の気持ち次第。子どもに会えなくても、父親は収入に応じて養育費を支払え。支払わない場合は収入を差し押さえることが出来る」これが日本の家裁の普通の対応のようですが、実に無茶苦茶で良識を疑います。離婚した相手に子どもを会わせたくないという気持ちは多くの人が持つ感情です。

 例えば、離婚した相手と関わりたくないから、子どもが相手に懐くと困るから、あるいは単に相手を苦しめたいから、等々。日本の家裁はそんな女性の感情を優先させているのです。本来、公平に世の中のトラブルを解決するべきはずの裁判所が、女性の意向だけを尊重し、父親と子どもの絆を断ち切っても平気なのです。私は控訴しましたが、結果は同じでした。

 「両親の離婚後、幼い子どもに必要なのは母親とお金だけであって、母親の望まない父親の存在はトラブルのもとになるだけだから会わせないほうが良い。それが子どもの福祉である」そういう明確な考えを家裁は持っているのでしょうか。

 実は子どもの福祉などどうでも良く、ことを簡単に処理するには子どもと父親の絆を断ち切ってしまうのが最も話が早い、というのが家裁の本音でしょう。子どもの福祉よりも自分達の仕事を簡略にすることのほうが大事なのです。男性によるDVが懸念されるにしても、真実を検証するのは面倒だから手っ取り早く父親と子どもの絆を断ち切ってしまおう、という考え方はあまりにも安易で短絡的です。

 DVは日本に特有のものではなく、世界中何処の国にもあるはずですが、殆どの国が離婚後も共同親権制をとっているのです。それは「子どもには父親と母親の両方の愛情が必要である」という認識があるからでしょう。

 それにひきかえ日本の家裁は、何十年か前に誰かが言った「幼い子どもには母親の愛情が必要である」という言葉にしがみつき、「母親さえいれば子どもに父親は必要ない」という馬鹿げた考えに発展させたようです。親権問題は単なる子どもの所有権争いではなく、子どもの人生を左右する大きな問題だという認識が無いのです。思考を停止し、「母親の味方をしておればそれで良い」としか考えていないのでしょう。

 ハーグ条約に加盟するかどうかの問題以前に、日本の家裁は世界の恥です。北朝鮮のように、人を拉致して肉親の絆を引き裂く行為を、非人道的な憎むべき犯罪であると誰もが思っているはずですが、日本の家裁は法の名の下に同じような行為を行っているのです。

 このように一方的に母親の味方をするような家裁のやり方は、女性にとってもプラスにはならないでしょう。「家裁に話を持ち込めば勝利は間違いない」という考えから冷静な判断力を失い、家庭内の些細なトラブルにも逆上し、誠実に対応しようとしない女性が出てきても不思議はありません。それに外国の裁判所は日本の家裁だけでなく、日本人の母親を信用しなくなっているのではありませんか。

 ジョーンズ氏の著書「子どもの連れ去り問題」によると、「日本には子どもの利益や子どもの福祉とは何かを定義づけるような法律が無く、こういった問題は家裁の裁判官による一種の行政判断で処理される」(p.144) とのことです。裁判官は自分の書いた判決に対して責任を問われることも無く、一方的に父親を苦しめ、子どもの人生をないがしろにするような処理を、何の法的根拠も無く行っているわけです。

 こんな状態がまかり通っている日本は文明国、法治国家であると言えるのでしょうか。外国からの批判に比べて、日本国内からの批判の声が少ないのが不思議です。「日本には日本の文化がある」、という言葉でこれを正当化しようとする人たちがいるのも不思議です。日本独自の文化って一体何なのでしょう。

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