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女性だって引き離される(1)「ハーグ条約に加盟していたなら…」 佐藤凛子(仮名)

私は現在、アメリカ人の夫とアメリカで離婚裁判中です。4歳と2歳の子どもがいます。夫とは日本で出会い結婚し、子ども達2人も日本で生まれ育ちました。

 2010年の年末に、家族4人でアメリカに住んでいる夫の家族の元を訪れた際、突然夫から「もう日本には帰らない。」と告げられました。そして、私だけ日本に戻り、ビザを取り、引越しをして再びアメリカへ戻ってくるように求められました。いつの間にか子ども達のパスポートも隠されていて、一人での帰国を余儀なくされました。泣く泣く一人で日本に戻ったところ、今度は夫から色々理由を付けられて、「今すぐにはアメリカには来させられない」と言われました。子どもを人質に取られているような私には、夫の言うことに従うしかありませんでした。

 「何かがおかしい」と思いながらも、ここで離婚を切り出しても子どもは取り返せない、夫の「離婚する気はない」、という言葉を信じるほかありませんでした。スカイプで夫と子どもと交流を続けてきましたが、2011年7月末「もう一緒には暮らせない。子どもは一人で育てていく」と告げられました。その時、「この半年間は、子どもの常居処地をアメリカにするための作戦だったのだ(アメリカにはUCCJEAという、住んでいる州が違う場合に子どもの親権を決める際、管轄権はどこかをきめる法律があります)」と分かりました。

 弁護士探しに難航し、3ヶ月かけてようやく引き受けてくれそうな弁護士が見つかり、委任契約するためにアメリカへ行きました。到着した翌日に弁護士と会い、受任してくれることになり、その翌日には、裁判所に離婚提訴することができました。さらに、その翌日にはemergency hearingが裁判所で行われ、滞在期間中子どもと会わせるように、と裁判所から命令が出ました。

 日本がハーグ条約に加盟していないため、私が日本に子どもを連れ去る恐れがあると懸念され、夫の家で、夫の両親どちらかの監督の下での面会ではありましたが、滞在中の4日間、子ども達と過ごす事が出来ました。調停を申し立てても、なかなか子どもに会う事ができない日本とは比べ物にならないほどの、早急な対応でした。

 もうママには会えないと恐らく思っていた子ども達は、バッグ一杯に持っていったプレゼントよりも、私と会えたことをとても喜んでくれました。引き離された時には1歳半だった娘も、私を見るなり「ママ」と抱きついてきてくれました。子どもに会えなかった7ヶ月間、本当に辛くて、何度も諦めそうになりましたが、あの笑顔を見ることができ、諦めないで良かったと心から思いました。

 これから裁判は続きますが、日本がハーグ条約に未加盟であることが大きな壁となって立ちはだかっています。日本人の女性が、子どもを連れ去ってきて父親に子供を会わせていないこと、日本政府がそれに対して、何も措置をとらないでいるという事実が大きく影響するから、監護権を取ることは難しいだろうと、弁護士からすでに言われています。日本がハーグ条約未加盟なことを、夫は逆手にとったにも関わらず、今度は日本がハーグ条約を結んでいないと非難されるのです。アメリカは共同親権が基本で、面会権も非監護親に与えられますが、私がアメリカに住む事が出来ないということを知りながら、子どもと母親を引き離し、全て自分の有利になるように持ち込んだという行為はフェアではありません。

 夫のことを恨んではいませんが、子どもに辛い思いをさせなくて済むよう、国際結婚だからこそ、もう少し歩み寄ってほしかったと、残念でなりません。

 子どもに会えず、電話もできない父親、母親が、日本国内に大勢いることを思えば、スカイプでの交流もできているのだから、私は恵まれているかもしれません。しかし、子どもにはphysical contactが必要です。スカイプでは、子どもがおばあちゃんに怒られて泣いていても、兄弟喧嘩をして泣いていても、抱きしめてあげることもできません。子どもの大好きなご飯を作ってあげることもできません。離婚することが決まってから数ヶ月経ちますが、まだ「子どもが側にいない」という現実を受け入れることができずにいます。  毎朝目覚める度に、その現実と向き合わなければいけないことがとても辛いですが、今私に出来る事は、出来るだけ多く子どもと会話をし、子どもに愛していることを伝えることだと思っています。そうして子どもの自己肯定感を少しでも育ててあげることが、私にとっての子どもに対する責任だと思っています。例え一緒に住めなくても、子どもが大きくなって、母親を求める日が来るまで、頑張り続けたいと思っています。

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