2013年02月21日 朝日新聞 『(いま子どもたちは)親が離婚した…:反響編 子ども、みんなが不幸じゃない』
(いま子どもたちは)親が離婚した…:反響編 子ども、みんなが不幸じゃない
子ども、みんなが不幸じゃない紙面で読む 2月3日付朝刊まで8回連載した「いま子どもたちは/親が離婚した…」に、様々な反響が寄せられた。今や離婚も珍しくないけれど、別れた夫婦や、その子どもたちが受ける影響はけっして小さくないようだ。
福岡県の中学3年の女子生徒(15)は「親が離婚したと言って同情されたり、かわいそうな子という視線を向けられたりするのがとても嫌です」と書いたファクスを送ってくれた。
東京都で暮らしていた3歳のときに両親が離婚。一人っ子で、今は母と祖父母と4人暮らしという。
東京に住む父とは「友だちみたいな関係」。今でも数カ月に1度、2人でご飯を食べる。「親が離婚したら、子どもがみんな不幸になるわけじゃないことをわかってほしい。母はやさしくて尊敬できる人だし、福岡に来なければ、今の友だちとも出会えなかった」
1月25日付の記事では、1歳のときに別れたきりの父への思いを募らせる中2女子(14)を紹介した。
「自分と重なる」というのは東京都調布市の自営業の女性(41)。幼いころに両親が離婚した。「自我が芽生える中学生のころから、父を知らないことでの喪失感があった」。母が父を嫌い、「ひどい人だった」と言うことにショックを受け、父への思いを封印してきたと振り返る。
30代半ばになったころ、「会わずに父が死んでしまうと後悔するのでは」と、思い切って手紙を出した。返事は驚くほど早く届いた。女性と兄の成長を祈っていたといい、「こんな日が来るとは夢のよう。連絡ありがとう」と書かれていた。その1年後に再会。「父を確認し、私の人生はこれでいいのだと思えた」
離婚した親たちからの反響もあった。
名古屋市の公務員の女性(55)は「34歳のとき、当時12歳と8歳だった娘2人を残して家を出ました」。
週末だけ、娘と過ごした。娘の父である夫の悪口を言い続けたが、長女が高校時代に反抗期を迎え、夫との関係性を見つめ直した。家庭内の問題を何でも夫のせいにしていたことに気づき、「離婚しても、子どもにすれば大切な親。それを理解するまで、とても時間がかかりました」。
離婚はしていないものの、不仲な親について悩み続けてきた人もいた。
島根県の会社員の男性(49)から届いたメールには「毎日が不安でいっぱいだった。子どもにはどうしようもない無力感、絶望感、でも離婚はしてほしくないという思いが交錯していた」と書かれていた。
男性は「子どもにとっては何よりも安心できる夫婦関係、家族関係こそが重要だと思う」と話した。
(古田真梨子)