【2021.08.28】 【関連記事】Hanada 実子誘拐を黙殺する日本のメディア
◆Hanada『実子誘拐を黙殺する日本のメディア』
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「私の子供たちは日本で誘拐されています」。メダルラッシュに沸いた東京オリンピックの陰で、命がけのハンストを行っていたフランス人男性、ヴィンセント・フィショ氏。BBCをはじめ、海外メディアが続々とこの問題を報道するなか、日本のメディアは「報道しない自由」を行使。日本の司法は腐っているが、日本のメディアも腐っている――。
日本は子どもの拉致国家
親子が片方の親によって一方的に引き離されている状態は、子どもの権利を侵害している。1989年に国連総会で採択され、1990年に国際条約として発効した「児童の権利条約(子どもの権利条約)」に、日本は1994年に批准しているが、その9条1項には「児童がその父母の意思に反してその父母から分離されないことを確保する」と定められている。
また、9条3項は「児童の最善の利益に反する場合を除くほか、父母の一方又は双方から分離されている児童が定期的に父母のいずれとも人的な関係及び直接の接触を維持する権利を尊重する」と定めている。子どもの連れ去り、そしてその後の親子の断絶は、明らかに国際条約違反だ。
「子どもの権利を守ってほしい」
これまでヴィンセント氏は、さまざまな法的行為を試してきた。日本の警察や司法には頼れないと知ると、EUや欧州議会に訴えるほか、2019年にはフランスのマクロン大統領にも面会し、支援を求めた。マクロン大統領は、ヴィンセント氏の訴えを受理し、日本に抗議した。しかし、事態はいっこうに改善しない。
その間にも、妻側が提起した離婚裁判は粛々と進み、年内には判決が出る見通しとなった。ヴィンセント氏は、今は子どもの親権者だが、裁判で離婚が成立すると、監護権をもつ妻が子どもの単独親権者となってしまう。
婚姻中で共同親権の状態にある今でさえ夫に子どもを会わせない妻が、単独親権者となってから、子どもを会わせるようになるとは思えない。ヴィンセント氏は危機感を募らせた。
そこで始めたハンガーストライキ。
ヴィンセント氏を支えるハンガーストライキ支援事務局によれば、このプロジェクトの立ち上がりは今年4月。オリンピックのタイミングに合わせてハンガーストライキを行うことで注目を集め、日本における子どもの権利侵害を広く訴えようと考えた。