2016年09月30日 西日本新聞 『政令市で初 別居親子の面会を北九州市が仲介へ 「養育費の実現に有効な施策」 』
北九州市は10月3日から、離婚などで父親や母親と別居して暮らす中学生までの子どもを対象に、親との面会を無料で橋渡しする事業を始める。父母が相互に不信感を持つなどして面会が困難な場合もあり、NPO法人と協力し、中立的な立場から連絡調整や付き添いを行い、愛情を子に伝える手助けをする。こうした事業は20政令市で初という。
市が2011年に行った調査では、市内の母子・父子家庭は計約1万8千世帯で5年前から約400世帯増え、母子家庭の6割超は「養育費を受けたことがない」と回答した。11年の法務省の調査では、養育費が支払われている家庭は8割以上が面会交流をしている一方、支払われていない家庭は6割にとどまった。
29日に会見した北橋健治市長は「面会交流は養育費の実現につながる有効な施策と思われる。精神、経済両面で健やかな育ちにつながる」と述べた。
市内では家庭裁判所調停委員らでつくるNPO法人「北九州おやこふれあい支援センター」が13年度から同様の事業を有料で開始。1回の面会に4千~8千円かかるため断念する人もいることから、今回は同法人などに事業委託し、市が費用負担する仕組みとした。
申し込みは父母どちらでも可能だが、双方の合意が前提。面会時は同法人のスタッフが子どもの受け渡しや付き添いを担う。子どもが市内に住み、児童扶養手当の受給者などが対象。支援は月1回、最長1年。本年度は約10組の橋渡しを想定している。