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2015年08月24日 Business Journal 『離婚親権争いの「母親優先」は歪んでいる?父子面会交流妨害横行の実態』

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離婚親権争いの「母親優先」は歪んでいる?父子面会交流妨害横行の実態

 夫婦の別居や離婚後に、一緒に暮らしていない父と子どもが会う機会である「面会交流」を、親権または監護権を持つ妻が妨害する事例が多発している。離婚してしまえば夫婦は他人だが、子どもと父の親子としての関係が変わることはない。しかし、実の子どもなのに何年も会えないまま苦しんでいる男性が多くいるのだ。このような事態が起きている原因は、どのようなものなのだろうか。

 まず、父母のどちらが親権者になるかを裁判所が決める場合、どちらが子の利益になるかを考えることとされている。しかし、離婚前に夫婦が別居し、その場合に母が子どもの面倒を見ている場合には、父が親権を取得することは事実上不可能である。なぜなら、子どもを混乱させない、また特に子どもが乳幼児の場合は母親といることが適切であるという観点から、「現状維持の原則」と「母親優先の原則」が司法の基本的な考え方となっているからだ。

 たとえ妻が一方的に子どもを連れて出て行って別居したとしても、その事情はほとんど考慮されない。「子どもを連れて行った者勝ち」ということになってしまい、明らかに不公平だが、これが日本の司法運用の実情だ。実際、女性に子どもの連れ去りを勧めるかのような弁護士もいるという。

 そして、面会交流を妨害するやり方としては、「子どもが精神的に不安定である」「会うことを嫌がっている」と、子どもの意思を強調して拒絶するパターンが多い。しかし、父としては子どもと一緒に住んでいないため、子どもの実情を自分の目で確認することも難しい。こうした母側の一方的な言い分に納得ができないのは当然だ。「子どもが精神的に不安定になっているのは、元妻が自宅から連れ去って環境を変えたからだ」「会いたくない、と母親に言わされているだけではないか」などと主張しても、裁判所や調停委員は、そんな男性の意見には冷たいことが多い。

●妻の言い分を鵜呑みにする日本の司法

 離婚問題を多く扱う柳下明生弁護士は、面会交流の実態について次のように語る。

「残念ながら、妻の言い分を鵜呑みにしたかたちで調停を進められることが、まだまだ多い印象です。例えば、妻への配慮を強調して、『妻がもう少し落ち着くまではしばらく面会も我慢したほうがよい』『子どもが精神的に不安定になるので、写真や手紙などの間接的な交流から始めたほうがよい』と言われることもありました。具体的な面会の話になっても、『月に1回、ファミリーレストランで数時間』などと厳しい制限をつけられることも珍しくありません」(同)

 従来、面会交流について法律上の根拠はなかったが、2011年の民法改正により明文で規定された(民法766条1項)。また14年に、「夫婦が同居した状態で子を連れ去って別居することを違法」とするハーグ条約に日本が加入したことで、親権・監護権に対する注目が高まってきた。

 このような背景もあり、最近になって面会交流の妨害について裁判所の対応にも変化が表れている。例えば、面会交流の拒否を理由として親権者を妻から夫に変更した審判や、面会交流を意図的に妨害した場合に母親のみならず代理人の弁護士にも損害賠償請求の成立を認めた事例が出てきた。

 こうした状況を反映して、調停でも面会回数が従来月1回だったものを月2回程度と夫側に有利に変更するものも増え、また、宿泊を伴う面会交流が認められるようになることも珍しくなくなってきているという。それでも、柳下弁護士は「月1〜2回の面会だけで十分な父子関係が築きあげられるかは疑問」と指摘する。

「日本以外の先進国では離婚後も共同親権を認めていることからすると、まだまだ不十分といわざるを得ません。すぐに共同親権を実現することが難しいとしても、父子で一緒に過ごす時間や機会をできるだけ増やす必要があるのは当然です。今後は、面会交流が認められることを前提として、具体的にどのような交流が子どもにとって利益となるのか、一定回数を確保することはもちろんのこと、交流の質を高めることを中心に話し合えるようになることを期待したいです」(同)

 子どもに会うことよりも母親である元妻に会う口実として、あるいは嫌がらせとして面会交流を要求する男性も少なくないという。そうした場合は、安易に子どもに面会させることは不適切だといえる。ただ、夫婦が離婚に至った理由はさまざまで、男性側だけに非があるというわけではない事例も多くある。それにもかかわらず、別居している場合、子どもは母親といればいいという固定観念があるとしたら大きな問題だろう。司法には、「離れてしまった親子の接点」という重要な意味を持つ面会交流を、具体的事情に即して、さらに充実させていく姿勢が必要ではないだろうか。
(文=関田真也/フリーライター・エディター)

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