2014年12月29日 NHK 『「ハーグ条約」で子ども返還6件』
「ハーグ条約」で子ども返還6件
両親が日本と外国に別れて暮らしている子どもが「ハーグ条約」に基づいて、もともと住んでいた国に戻されたケースが条約がことし4月に日本で発効してから、これまでに6件あったことが外務省のまとめで分かりました。
ハーグ条約は国際結婚の破綻などで、一方の親がもう一方の親の同意がないまま、子どもを自分の母国に連れ出した場合などに子どもを原則として、もともと住んでいた国に戻す手続きを定めたものです。
外務省によりますと日本で、ことし4月に条約が発効してからこれまでにイギリスやスイスの裁判所が命令を出すなどして、外国にいる子どもが日本に戻されたケースが4件、逆に外務省が仲介した話し合いなどで日本にいる子どもが外国に戻されたケースが2件ありました。
また、子どもの返還を求める親から外務省に支援の要請が30件あり、この中にはDV=ドメスティックバイオレンスが関係するものも複数あるということです。
ハーグ条約に詳しい大谷美紀子弁護士は「子どもの返還が6件実現したことは、条約の特徴である迅速さが示されたといえる。
ただ今後、DVや虐待などが関係する難しいケースが増えることが予想され、子どもの利益をどう守っていくのかを関係者が配慮することが重要になる」と話しています。