2014年07月26日 時事通信 『子の返還問題、制裁法成立へ=日本とは覚書締結も-米』
子の返還問題、制裁法成立へ=日本とは覚書締結も-米
【ワシントン時事】米国人との結婚生活が破綻した日本人らが子供を母国に無断で連れ帰る事例が相次いでいる問題で、米下院は25日、子供を米国に戻すため適切な措置を取らない国に対し、政府が軍事支援打ち切りなど制裁措置を科せるようにする法案を全会一致で可決した。既に上院を通過しており、オバマ大統領の署名を経て、近く成立する見通し。
日本政府は4月、こうした事案への対処を求める米国の要求に応じ、連れ去られた子供を元の居住国に戻して親権争いを決着させることを定めたハーグ条約に加盟した。しかし、加盟以前に発生した事案には適用されないため、法案には日本などに一層の努力を促す狙いがある。
法案は対応を怠った国への制裁として、軍事支援打ち切りのほか(1)公の場での非難(2)首脳らの訪問の延期・取りやめ(3)政府開発援助の打ち切り-などを明記。また、連れ去り事案の解決手続きを定めた2国間の覚書を各国と締結するよう政府に求めている。
法案を提出したクリス・スミス下院議員(共和党)は声明を出し、ハーグ条約の適用を受けない事案を解決するため「日本のような国とも覚書を結ぶ必要がある」と強調した。(2014/07/26-09:56)