2013年07月04日 読売新聞 『離婚親子の面会 絵本で理解』
離婚親子の面会 絵本で理解
離婚のため別れて暮らす親子が定期的に会う「面会交流」について理解を深めてもらおうと、絵本「ぼく、健太」が製作された。
自治体の窓口などに置かれ、当事者らに読んでもらう。
昨年4月の民法改正で、子どものいる夫婦が離婚する際には、親子の定期的な面会交流について取り決めることになったが、まだ面会に積極的ではないケースも多い。
絵本は、離婚に伴う養育費や面会交流について相談を受けている「養育費相談支援センター」(東京)が製作。ストーリーは面会交流の支援に携わってきた笠松奈津子さん、絵はイラストレーターの小林真合子まりこさんが担当した。
主人公の健太くんは、両親が離婚して、母と弟と3人で暮らす。小学1年生の時、父親と面会できて喜んだのもつかの間、母親が面会はやめると言い出す。母も父もそれぞれ、面会に関して相手への不満を周囲に打ち明ける。友人やひとり親の知人の助言を受けて、再び父子の面会が実現し、回を重ねていく。面会交流に対する母、父それぞれの複雑な思いや、両親のはざまで揺れ動く子どもの気持ちが描かれている。いかにして面会交流に臨むべきか、考えさせられる内容だ。
厚生労働省の事業費で、2000部を作成。自治体のひとり親支援の相談窓口などに配布する。
同センターの鶴岡健一さんは、「子どもは幼くても親の離婚について自分なりに考えたり、我慢したりしている。離婚しても両親は子どもに愛情を持って接し、健やかな成長のために面会交流を考えてほしい」と話す。