2013年04月04日 時事通信 『「子の利益」保護で論戦=ハーグ条約、審議入り』
「子の利益」保護で論戦=ハーグ条約、審議入り
国際結婚が破綻した夫婦間の子どもの扱いを定めたハーグ条約の加盟承認案と国内手続きに関する条約実施法案は4日の衆院本会議で審議入りし、外国人配偶者から虐待や家庭内暴力(DV)を受けた子どもや日本人女性をどう守るかが最大の論点となった。
ハーグ条約は原則、一方の親が子(16歳未満)を連れ帰った場合、元の居住国に戻して親権を決めるとしている。ただ、DVなどの恐れがあれば例外的に子の返還を拒否できると規定。審理は東京か大阪の家庭裁判所で行われる。
質疑で公明党の大口善徳氏は、子の返還手続きに関し「子どもの福祉に精通した専門家の配置が必要だ」と指摘。民主党の菊田真紀子氏は「(DVで)身の危険を感じ日本に逃げ帰ってくる女性は少なくない」として例外規定が機能するかをただした。
谷垣禎一法相は、家裁が「子の心身に害悪を及ぼす」などと判断した場合、「裁判所は返還を拒否することになる」と説明。岸田文雄外相は「条約は子の利益を最重要に考え、問題解決を図るものだ。(承認が遅れれば)国際社会でわが国の姿勢が問われかねない」と早期処理を求めた。 。