2012年03月09日 毎日新聞 『ハーグ条約:国内手続き法案を閣議決定』
ハーグ条約:国内手続き法案を閣議決定
政府は9日、国際結婚が破綻した夫婦間の子の取り扱いをルール化した「ハーグ条約」への加盟に向け、国内手続き法案を閣議決定した。今国会での成立を目指す。
通称は「ハーグ条約実施法案」。法案では、同法の施行前の時点で、国境を越えた不法な連れ去りをされた子については、同法を適用しないと規定。実際の施行期日は、条約が国内で効力を発する日からとした。
また、法の目的に「子の利益」を明記。日本に連れ帰られた子を条約の原則通り、いったん元の国(外国)に返すかどうかを決める裁判手続きを東京・大阪の2家裁でするとしたうえで、裁判所が子の返還拒否を考慮できる事情として、児童虐待や配偶者暴力(DV)の恐れがあるケースを挙げた。
また、国内に連れ帰られた子の所在確認や裁判手続きを使わない任意解決の促進など、連れ去られた側の親を援助する「中央当局」は、外務省に置くと定めた。【伊藤一郎】