2011年09月22日 時事通信 『議会から圧力、「結果」要求=日本の遅い対応にいら立ち-日米首脳会談・米大統領』
議会から圧力、「結果」要求=日本の遅い対応にいら立ち-日米首脳会談・米大統領
【ニューヨーク時事】オバマ米大統領は21日の日米首脳会談で、懸案の米軍普天間飛行場移設や環太平洋連携協定(TPP)参加、米国産牛肉の輸入制限緩和、国際離婚に伴う子の親権に関するハーグ条約加盟を取り上げ、野田佳彦首相に「結果」を出すよう迫った。いずれも議会サイドから圧力を受けているテーマ。相次ぐ政権交代で歩みの遅い日本側にいら立ちを示した格好だ。
「結果が必要だ」。会談冒頭の写真撮影が終わると直ちに本題に入った大統領は普天間問題について明確にこう要求。牛肉問題でも「進展を求めたい」と言い切った。
東日本大震災に関し「いかなる支援もする」と語り掛け、和やかな雰囲気だった会談冒頭と打って変わった口調に、同席した米政府高官も「驚いた」と振り返った。
普天間移設をめぐり、米上院は「目に見える進展」がないことを理由の一つに、セットとなっている在沖縄海兵隊グアム移転費を全額却下。政権サイドには計画頓挫の危機感が広がる。
ハーグ条約に関しては、日本が加盟してもさかのぼって適用されない既存の子供連れ去り事案の解決を求める声が議会に強く、身柄引き渡し要求など強硬手段まで取り沙汰される。これまでは主にクリントン国務長官が日本側に善処を求めてきたが、今回、初めて大統領が提起した。
首脳会談は、大統領が先に議題全般にわたり自らの主張を展開、その後に首相の回答を聞く形を取った。この日、大統領はイスラエルのネタニヤフ首相、パレスチナのアッバス自治政府議長と個別に会談。中東問題に頭を悩ます中、これ以上の火種はごめんだと言わんばかりだった。(2011/09/22-08:01)