【2019.06.29】 親子ネットレポート「自己理解から始まる別居離婚後の関係性の再構築」
2019年6月29日、親子ネットは、池袋IKE Biz多目的ホールにて、「自己理解から始まる別居離婚後の関係性の再構築」をテーマに講演会を開催しました。
第1部 講師:坂本佳子さん
「別居親の自立と子どもの幸せについて」〜行動すれば変えられる 会いたい人になる〜
坂本佳子さんは、3人のお子さんの母親です。離婚後、はじめは子どもたちと別居していましたが、4年を経てお子さん3人のうち2人と同居することになりました。
坂本さんのお話を紹介します。子ども3人と別居、面会交流もなかなか叶わず坂本さんは15年前、2004年に離婚し、当時8歳・6歳・3歳のお子さんと別れて暮らすことになりました。面会交流を約束したものの、同居(父)親側の都合で、2年後にはそれも叶わなくなってしまいます。そこで坂本さんは、親権変更を求めて調停を行いましたが、うまくいきませんでした。しかし、坂本さんは諦めませんでした。子どもとの関係を取り戻す方法を模索し様々な勉強会に参加するなかで、子どもの自己肯定感を育てるためには両方の親から愛されていると子どもに伝えることが何より大切だと知り、小学校の登校時間を狙って校門前で子どもを待つことにしました。冷たい反応もありましたが、坂本さんは負けずに通い続けました。そのうちに、子どもの心も少しずつほぐれていきました。はじめに長女、次いで長男が坂本さんの家にそうして数年が経った2010年のある日、長女が坂本さんのところに家出をしてきたのです。話し合いを経て、長女は坂本さんとともに暮らすことになりました。その2年後、2012年には、長男も坂本さんの元にやってきました。
3人の子どもと離れ、絶望的な気持ちで日々を過ごしていた坂本さんですが、諦めずに行動し愛を伝え続けていくことで、このように子どもとの暮らしを取り戻すことができたのです。2017年には次男とも10年ぶりに会い、交流が復活しました。
子どもが「会いたい」と思えるような人になる
このような経験から、坂本さんが子どもと会えずに苦しんでいる人に伝えたいことは「会えないでいる間、ただ嘆き悲しむのではなく、子どもが会いたいと思えるような人になる努力をしてほしい」ということです。坂本さん自身は、自分に自信をつけるための自分磨きとしてネイル検定を受けたり、いつでも子どもを迎えられるように経済的自立を目指してキャリアチェンジをはかったりしていました。
坂本さんは言います。「子どもと離れているのに、自分が楽しんでいいのかと思う人もいるのかもしれませんが、まずは自分が人生を楽しみ、幸せになることが大切です。暗くて不幸せな人と付き合いたい人はいません。子どもだって、明るく幸せなお父さん、お母さんなら会いたい、と思うはずです」辛い時期もあったけれど諦めずに前向きに行動し、人生を楽しむ努力をすることで、子どもとの幸せな暮らしを手に入れた坂本さんの体験談から学ぶことは多そうです。
続きは、会報を参照ください。