【2011.05.10】 ラン・ファットボーイ・ラン
【ストーリー】
出来ちゃった婚のリビーを結婚式会場に置き去りにして逃げ出した超無責任ダメ男のデニス。それから5年、5歳になった息子ジェイクとの面交を重ねながら、なんとかリビーとジェイクとの生活を取り戻したいデニスだったが、そんな折、リビーの新恋人、お金持ちでハンサムのアメリカ人ウィットンが出現。
自分の誠意を見せるために、マラソン好きのウィットンに張り合ってロンドン・マラソンに参加することになるが・・・。
【感想】
責任感に耐え切れず、妊娠中の新婦を置き去りにして逃げ出す超ダメ男のデニスだけれど、5年後シーンでもリビーは恋人がいても「子どもには父親は必要よ」「パパはお母さんが結婚してもパパだから」と息子のジェイクや、デニスに話すシーンがある。1つはリビーが本当に子どもを愛する母親であること、
もう一つはイギリスの法的な事情もあると思う。
イギリスは欧州各国の中でも、離婚率が高い国になっている。女性の社会進出も目覚しく、「経済的に自立する女性」も日本の比ではない。もともと個人主義の国なので、子どもも社会に出れば自立することを基本としている。いつまでも親元を離れない日本人とは大違いだ。
それでも気になる離婚後の親権については、やはり共同親権ということだ。ネットで調べていると、2007年にブレア首相からブラウン首相に交代すると
「児童、学校および家庭省」という省が編成される。そして「イギリスを子どもと若者が育つ上でもっとも最良の場所」にするべく様々な改革がなされているらしい。
実は2000年代前半に起こった凄惨な児童虐待がシングルペアレントの家庭で起こったことに起因しているというのもあるようだ。
映画の中のデニスとリビーが結婚式前に籍を入れていたのかどうかは知らないが、今では未婚の場合でも、子どもの出生届には二親揃って出生届けを出すことが義務付けられているのかな?というような記事もあった(が、調査が不十分なので確信はないけど)。
これは、毎年4万件を越す片親のみの出生届けに対し、父親の責任を喚起する意味もあるらしい。
イギリスの映画を見ていると、けっこうこうした離婚後の子どもをめぐる親子の諸々や、母親と暮らす息子の相談を聞く父親なんてシーンをけっこう見かける。そして、そういうお父さんは、どうも人生落伍者的なヤツが多いんだけど、
でも子どもをすごく愛してる憎めない大人こどもに描かれている。
そういうダメなお父さんを見ていると、つい自分と重ねてしまうけれど、イギリスの場合、それでも子どもとは頻繁に会えるのに日本ではそうはいかないお国柄に、どうしても憂いてしまう。













