2012年07月13日 毎日新聞 『記者のひとりごと 親子の面会に支援を』
親子の面会に支援を
学生時代の友人が離婚した。妻が保育園児の長女を連れて実家に戻り、今春、調停離婚が成立した。子煩悩な友人は毎週末、車で片道2時間かけて長女に会いに行く。仕事の疲れで体力的にきつい日もあるが「公園でサッカーをするのが楽しみ」と話す。限られた時間の中で親子の絆を確かめ合っているのだと感じた。
友人の場合は幸い子供に会えるが、離婚した夫婦間で子供との面会を求める調停は一昨年7749件と、10年前の3倍以上に増えた。
日本は離婚した男女のどちらか一方が親権を持つ「単独親権」のため、親権を持たなかった側(大半が父親)は子供との面会が十分に認められないケースが多いという。
先進国では、離婚後も父と母が共に親権を持つ共同親権が一般的だ。米国では両親が共に子供との同居を希望した場合、別居親との面会交流に積極的な親を同居親とする州が多いと聞く。都は5月に面会支援を始めたばかり。当事者間の解決が難しいだけに、国や自治体は対策に知恵を絞ってほしい。【佐々木洋】